印欧祖語(1)
語源のところで説明したように,英単語の語根(意味の中心)はラテン語・ギリシャ語が大多数を占めているが,それでも6割くらいではないかと思う。では,残りの4割はどうかということもかなり気になるだろう?実は,ラテン語・ギリシャ語も含めて,多くのヨーロッパ諸語の語源は,遡って行くとある共通の言語に行き着くのではないかと考えた人がいた。イギリス人のウィリアム・ジョ-ンズ(1746-1794)である。彼は,当時インドに判事として赴任していた役人であったが,趣味で東洋学を研究しており,特にサンスクリット語(古代インド語)に興味を持っていた。その結果,サンスクリットはラテン語・ギリシャ語と偶然とは思えない程に多くの共通点を持っていることに気付き,これら3つの言語がある共通の現存しない言語から派生したものであることを確信するようになる。これが印欧祖語である。