三位一体(2)

前回の「合わせ鏡」の例から何となく分かるのは,自己言及的ルール(システム)には増殖(これを差異の反復と呼ぶ人もいる)が発生するということだろう。実は,自己言及的基本ルールを「父=神」,増殖を「聖霊」と見ることが出来て,三位一体の哲学に自然に結びついて来ると私は考えている。そして,過剰な増殖はそのシステムの崩壊を招きかねないが(ガン細胞のように),そこに偶然性を本質的に産み出す原動力があるのではないだろうか?それによって,決定論と偶然性が混じり合った現実の現象が受肉する。それが,「子」の誕生となり,三位一体が完成する。