語源とは(2)

他にも,次のような例がある。arrive(到着する),derive(由来する),   river(川),rival(競争者)という単語たちは皆共通の部分を持っている。全て,rivusというラテン語が共通に単語の中心部分を成している。意味は「川,流れ」。river はそのままであるし,arrive=ad-(「~に向かって」と言う意味の接頭辞)+rivus=川が海岸に向かって流れる=到着する,derive=de-(「下降」の意味の接頭辞)+rivus=流れ下る=由来する,rival=同じ川の流れを利用するもの同士=ライバル,仲間ということになる。このように語源に分解することで単語を深く理解出来るように感じないだろうか?

語源とは(1)

雑誌「Between」のある記事で,英単語を語源に分解すると分かり易いということが紹介されていた。あまりはっきりとは覚えていないが,具体例を何となく挙げてみよう。例えば,telephone(電話),television(テレビ),telescope(望遠鏡),telegraph(電報)は皆共通の部分としてtele-がくっついている。これは元々ギリシャ語で「遠距離」という意味がある。それぞれ,tele-+phone(音)=遠いところの音を聞く機械=電話,tele-+vision(視覚)=遠いところの映像を見る機械=テレビ, tele-+scope(範囲)=遠いところまで見える範囲を広げる機械=望遠鏡,                tele-+graph(文字)=遠いところに文字を送る=電報ということになる。このように単語を捉えると非常にクリアーに見えないだろうか?当時,高校生の僕は,目から鱗が落ちたような体験だった。

きっかけ

語源と数学に興味を持ったのは、今思えば当時福武書店から出版されていた「Between」という高校生向けの雑誌だった。この雑誌はある数学者と歴史学者が共同編集していたものだった。 雑誌のテーマは中世の歴史と哲学である。 その中でラテン語ギリシャ語の話も出てきて、そこから語源というものに興味を持ち始めた。 その雑誌を読んだことは、私にとって中世の哲学と数学というものがどういう関係にあるか興味を持ち始めたきっかけだった。 そのときから漠然と語源と数学と哲学とがなんらかの深い関係で結ばれているということを考えるようになった。