全体論と要素還元主義(1)
前回まで説明したように,英単語の理解には,ラテン語・ギリシャ語や接頭語・接尾語などの各パーツに分割して捉えることが,非常に有用である。これは例えて言えば,色々な物質を分析していくと原子・分子の各パーツに分割されることに似ている。実は,ラテン語やギリシャ語は,更に共通の祖語に遡ることが出来る(これが印欧祖語と呼ばれるもの)のだが,それがどのような経緯で発見されたのかは次回以降で説明する。
このように,あるモノの実体を詳しく調べようとする時に,各パーツに分解して,それぞれを詳しく調べていくことで,元のモノのことが完全に理解できるという考え方を要素還元主義(Reductionism)と呼ぶ。人体のことを知るのに,脳とか心臓とか消化器とか神経系など各臓器に分けて調べるのに似ている。しかし,各臓器のことが分かればそれで人間そのものが分かるのか?この疑問を突き詰めた考え方が,全体論(Holism)と呼ばれるもので,有機的システムはその部分・部分の算術的総和以上のものであるとする。
実は,私は,語源との付き合い方は全体論的でなければいけないと考えている。徐々にそのことを説明して行きたい。いや,それこそがこのブログのテーマですらあるのかも知れない。