非対称な時間の流れと偶然性(2)

前回に引き続き,現実の物理現象が何故,決定論と偶然性(決定論とは真反対)が入り混じったようなことになっているのだろうか?これについて考察したい。

この辺りは,哲学的というか,禅問答のようでもあり,いい加減なことを言うなと思われる方もいらっしゃるだろうと思う。ですが,せっかくここまでお読みになられたのなら,もう少々お付き合い願いたい。

 物理現象が決定論的であるならば,その背後には何らかの因果律があることになる。原因から結果への一方向的作用である。ところが,どうも現実の物理現象には偶然性も入り込んでいるらしいので,原因から結果への一方向的作用だけでなく,結果が原因にも影響を与えるような(逆流するような)作用も同時に,現象の背後に潜んでいると考えられる。これを例えると,太極図のようなイメージなのではないかと思っている。あるいは,物理現象の背後にある原理は,自己言及的と言い換えてもいいだろう。